1.清酒酵母協会7号由来のアルギナーゼ欠損変異株を取得した。 2.協会7号から変異株の取得頻度は協会9号, 10号と比べ非常に低く, かつ培養日数も長く要した。これらの要因を調べるためCAR1遺伝子の構造, 培地組成, 培養条件の検討を行った。 3.取得頻度の低い原因として協会7号では, CAR1遺伝子にホモに変異が入るのに必要なgene conversionの頻度が低いのではないかと考えられた。 4.この変異株を使用した仕込試験により, ウレアを含まない清酒醸造が可能であった。またこれらの清酒を加熱処理を行っても, 対照酒においてはECAが生成されるのに対し, ウレアを含まない清酒からは不検出であった。 5.ウレア非生産性清酒酵母による膠の発酵経過生成酒の一般成分, きき酒結果等, 親株と大きな差はみられなかった。 終わりに, 実地醸造試験を実施いただいた黄桜酒造株式会社の皆様に感謝いたします。