1) 米製焼酎の醸造場から「家付き酵母」と考えられる優良酵母S-4株を分離した。この酵母はα-MG資化能を有していた。 2) 分離酵母S-4に高香気成分生成能を付与するため, 協会9号酵母とプロトプラスト融合を行い, 融合酵母KF3, KF5を取得した。この融合酵母の小仕込試験を行ったところ, 親株であるS-4株の約1.5倍の酢酸イソアミルが生成した。酢酸イソアミル生成能の向上は, イソアミルアルコール量及びAATase活性の増大によるものであった。 3) 焼酎製品の含み香を高めるため, KF3のEMS処理によりp-FPA耐性株を取得し, その中からβ-フェチネルアルコール高生産株4株を取得した。この4株の小仕込試験を行ったところ, β-フェネチルが約1.4から2倍, β-フェネチルアルコールが1.3から1.7倍生成されていた。 本研究に協力された卒論学生小川清君及び永吉功一君に御礼申し上げます。