生物は外部から急激な温度・浸透圧等の物理的な刺激あるいは化学物質等による刺激 (ストレス) を受けると代謝レベルで特異的な反応を示す。酵母においても同様の現象が認められており, ストレス応答や対ストレス防御機構解析のモデル生物としての研究が進められている。 一方, 実用上においてもストレス耐性は重要課題であり, アルコール耐性, 浸透圧耐性などについて従来から研究が進められていた。パン酵母については冷凍耐性酵母の育種が重要課題となっているが, その耐性機構に関与しているトレハロースの代謝系の制御については遺伝子レベルで明らかになりつつある。