精米歩合70%の偏平に精米した白米と通常の精米を行った白米を用いて清酒醸造試験を実施し, 精米方法の違いが酒質に及ぼす影響を検討した。偏平精白米中の粗タンパク質含量は通常精白米中のそれより少なく, また製成酒中のアミノ酸度及びアミノ酸総量はともに少なかった。特に製成酒中のアミノ酸総量は, 通常精米仕込酒の83%と原料米中の含有量の比以上に拡大した。 きき酒試験の結果においては, 偏平精白米を使用した清酒は通常の精白米を使用したものに比較して味がきれいで軽快な傾向を示し, 総合成績は危険率5%で優れていると判断された。この結果より, 偏平精米は精米歩合を低くするのと同じ効果があり, 酒質の向上とコストの引き下げに寄与できると期待される。