‘甲州’‘カベルネ・ソービニオン’を試験品種として, 単位面積当たりの結実量を一定とした垣根仕立てとX型棚仕立てがマストとワインの品質に与える影響について, 1991年 (5年生樹) から1993年 (7年生樹) の3か年にわたり調査した。 果房重と果汁糖度は, 仕立ての違いによる差はほとんどなく, 果汁酸度は9月上旬に行った果房着位近傍節の摘葉の影響で, 垣根の方がわずかに低かった。仕立ての違いよりも天候条件の違いによる年度差の方が大きかった。G/F及びT/Mから, 垣根のブドウは熟度が進んでいることが推察された。 ワインは, 仕立ての違いによる差はほとんどなかったが, カベネル種においては天候に恵まれた年では垣根仕立ての方が勝っている傾向にあった。