(1) 蒸米の溶解にともなう窒素の溶出量は原料米のタンパク含量の影響を極めて強く受け, 特に, 溶解後期に両者の相関が高かった。 (2) 蒸米の溶解初期においてはタンパクの溶解はデンプンの溶解の影響を強く受け, 心白米のようにデンプンの溶解が速い品種はタンパクの溶解も速かった。 (3) 蒸米の溶解反応がほぼ終了したと考えられる21日後におけるタンパクの溶解率は, いずれの品種も60%前後であり品種による顕著な差は認められなかった。 (4) 精米歩合が低くなるに従い, 窒素の溶出量もほぼ直線的に減少した。最後に貴重な酒米試料をいただきました灘五郷酒造組合酒米研究会に深謝いたします。