(1) 育成中の生酖から乳酸菌5株を分離した。その中の Lactobacillus sake と同定されたKA-2株は, 10℃で培養すると酸性下で培地中のアルギニンをほとんど消費し, 尿素を生成した。30℃ 培養では, 培地のアルギニン含量に大きな変化は認められなかった。このことから低温培養で, 至適pHを調べたところ酸性アルギナーゼであった。 (2) KA-2の生産する酸性アルギナーゼを精製し, その性質を調べた。分子量43,000ダルトンのモノマーで, 至適 pHは4.0, 至適温度20~30℃, Fe2+, Al3+により活性が増大し, Hg2+により抑制されるなどが明らかになったが, 酸性アルギナーゼに関する報告は希であり, 様々な用途が考えられる。