米焼酎蒸留廃液の固液分離及び脱水濾液の酵母及び活性汚泥による総合浄化処理法について検討し, 以下の結果が得られた。 (1) 米焼酎蒸留廃液にGeotrichum.sp M111株を 2×107cells/mlとセルロース系濾過助剤を2%添加し, 廃液中の固形分を凝集させ, ベルトプレス式脱水機で固液分離を行ったところ, 33kg/m・hrの濾過速度が得られた。 (2) 脱水の際, 排出される脱水濾液について, 酵母を用いて浄化処理試験を行った。酵母槽のBOD容積負荷が20~40kg/m3・dの範囲で連続処理試験を行った結果, 約70%のBODを除去できた。 (3) 酵母槽の後処理に設置する活性汚泥への負荷を更に軽減する目的と, 酵母処理の際, 増加した酵母を消化溶解するために, 酵母溶解菌を用いて消化処理を試みた。その結果, 酵母処理中の固形分を約40%消化溶解することができ, BODの除去率も約80%に向上した (4) 酵母及び酵母溶解菌で浄化処理した脱水濾液を水で5~10倍に希釈し, 活性汚泥による処理を行った。BOD容積負荷が0.4~1.2kg/m3・dの範囲で連続試験を行った結果, 0.4~1.Okg/m3・dの負荷条件で, BOD30ppm未満の河川放流可能な水質が得られ, 汚泥の沈降性も良好であった。