疎水性でガス透過性を有するポリテトラフルオロエチレン (PTFE) チューブにより試料中のSO2ガスを分離することによって, バィオセンサによる遊離型亜硫酸の選択的かつ連続的な測定が可能となった。これにより試料中の遊離型亜硫酸濃度の経時変化をチャート上に記録できるようになり, これを基にして遊離型亜硫酸から結合型亜硫酸への形態変化を動的に解析した。 代表的な亜硫酸受容体であるアセトアルデヒド (AcH), ピルビン酸 (PA), a-ケトグルタル酸 (KGA) の中では, AcHが最も速やかに亜硫酸と結合することがわかった。結合型亜硫酸の形成反応をミカエリス・メンテンの式に当てはめ, Woolf plotによる解析を行ったところ, 亜硫酸と亜硫酸受容体の飽和定数 (Km) は, AcH 3.2mM, PA3.2mM, KGA 6.2mMとなり, KGAが他と比べて亜硫酸との親和性が低いことが明らかとなった。