(1) 脱気水を割水として使用した場合, 成分的な差は見られなかったが, 官能試験では, 対照 (通常水の割水) に比べ評価が良く, 熟度も若く保てる傾向にあった。 (2) 新酒を脱気した場合, 火入れの有無にかかわらず着色度の増加が抑制された。官能試験では, 対照 (未脱気) に比べ品質が良い傾向にあった。火入れをしない場合は, 3-D-Gの増加も低く抑えられる傾向にあった。 (3) 新酒を脱気した場合, 清酒中の溶存酸素濃度は, 1ppm程度に低く保たれ, 一方, 未脱気の場合は貯蔵中に徐々に溶存酸素が減少し酸素が消費された。脱気清酒では酸素消費に関わる反応が抑制されているものと推定された。