中国式低塩固体発酵法 (方法1) で試醸した諸味中の菌数は106cfu/g程度であり, その多くは. B. subtilis で他には B. lichenifbrmis 類似菌などであった。種麹菌接種時及び諸味仕込み時のpHを5に調整した上, 諸味仕込み時にソルビン酸カリウムを0.1%(w/w) に添加して試醸した諸味 (方法2) 中では, 方法1の1/10以下にこれらの菌数を減少させることができた。この場合, B. licheniformis, B. polymyxa, B. cereus などの近縁菌が主であったが, Staphylococcus と思われる球菌も検出された。両方法において酵母, 乳酸菌は検出されなかった。分離芽胞菌の培養液から抗酵母性の粗物質が得られ, 1mg/m l の濃度で32-64倍希釈単位の力価の抗酵母性が認められた。諸味発酵の中期に酵母及び乳酸菌を添加したところ, これらの菌は添加後に消失したが, エタノール含有量の増加以外には醤油成分の変化は見られなかった。中国天津の諸味中には105-106cfu/gの細菌数が認められた。その多くは B. subtilis で, その他に球菌として Staphy lococcus, Stomatocooous が検出された。