醤油醸造では,大豆原料と小麦原料の全量を麹にするため種麹の使用量は,麹を使用する他の発酵食品に比べ格段に多い。そのため幾つかの企業では自製の種麹を使用している。 麹菌は製品の歩留まりや品質を左右するため,麹菌の育種・改良は,優良株を求めて多くの研究者によって進められており,遺伝子組替え技術や細胞融合等による方法が確立されている。ここでは異種間のプロトプラスト融合による醤油麹菌の育種について詳しく解説していただいた。