キラー感受性タイプが異なる3菌株を用いて, 生翫仕込み過程におけるキラー酵母の検索を行った。これらのキラー感受性菌株に対してキラー活性を示す酵母が生醗仕込み初期には高い割合(約50%)で検出されたが, きょうかい酵母添加時期の後期には検出されなかった。純粋分離したキラー酵母は全て産膜性を有し, キラー活性が強く且つ広範囲の酵母に活性を示す菌株の多くが硝酸を資化し, Pichia anomala と同定した。さらに, これらの菌株およびきょうかい7号酵母との交叉反応試験を行った結果, きょうかい7号酵母にはキラー活性を示さず, キラー酵母が相互に死滅しあうこともなかった。生醗由来の産膜性酵母のキラー活性は, 食塩添加により用いた感受性酵母全てに対して増加していた。特に, Zygosaccharomyces rouxii IFO 0505に強い活性を示した。