平成7酒造年度から全国発売されている14号酵母 (金沢酵母) は, 全国各地の蔵元で幅広く愛用され, 上々の評判を得ている。最近, 省力化などの労働問題から, 泡なしタイプの金沢酵母を要望する声が上がってきた。既に, 金沢局の鑑定官室と北陸酒造技術研究会酵母部会が中心となり, 泡なし酵母の分離が行なわれ, 管内製造場で, 3酒造年度に渡り試験醸造が行なわれた。従来の金沢酵母と遜色がない良好な結果を得たので, 本年度より全国に配布されるはこびとなった。本稿は新しく本酵母を使用されるメーカーのため, その特徴と仕込み上の留意点, 製成酒の酒質などについて解説していただいた。