味噌汁および料理に使われる (普通) 味噌に比べ, そのままおかずにするなめ味噌については, 一般にあまりよく知られていない。なめ味噌の歴史は古く, 鎌倉時代に, 味噌汁として食べ始めるまでは, 味噌はお膳にならべられ, おかずとして食べる味噌であった。 野菜や魚と味噌の出会いのなめ味噌は, その後庶民に広く浸透し, 工夫され, 地方色豊かななめ味噌が各地でつくられてきた。 (財) 食生活情報サービスセンターの地域食品普及事業の一環として「嘗め味噌研究会」がつくられ, その委員の一人として活動された著者に, 代表的ななめ味噌について, その特徴と問題点, 米の消費が減少し続ける現在の食生活においての位置付け, 今後の対応等について, 詳細に述べていただいた。