クールステージ付きのナチュラルSEM (チルドSEM) による心白米などの浸漬後の白米, 蒸米, 麹の割断面の観察を行なった。浸漬によって心白粒は心白面に沿って大きな亀裂を生じたが, 胚乳細胞やアミロプラストなどの微細構造は心白部分か否かに関わり無く, 浸漬前後で大きな変化は見られなかった。蒸米は蒸し直後には胚乳細胞の配列が観察できなかったが, 心白部分以外では老化が進むに従って配列が再び明瞭に観察できるようになった。これに対して心白部分では再配列が認められなかった。麹では麹菌糸が胚乳細胞間隙以外でもデンプンを溶かしながら伸長するのが明瞭に観察できた。心白粒では浸漬, 蒸きょう時に生じた心白面に沿った亀裂面においても麹菌がよく生育し, 且つハゼ込んでいるのが認められた。