1.市販されている清酒30点について調べたところ清酒は10Oml当たり平均でアスコルビン酸にして2.0mg, BHAにして6.9mgと同等のフリーラジカル消去能を持つことを明らかにした。 2.フリーラジカル消去能を持つ物質として, 清酒に含まれるフェノール化合物の中から9物質を確認することができた。 3.これらのうち7物質のホワイトリカー中での官能閾値を明らかにした。 4.これらの物質を清酒に添加してモデル清酒を作製したところ, ほとんどのモデル清酒のフリーラジカル消去能は元の清酒と比べて大きく増えていた。 5.しかしこれらの物質は清酒の香味とはマッチしていないことがわかった。従って, 清酒の抗酸化性を高める目的で清酒中のこれらの物質の濃度を増やす場合, それぞれの官能閾値の範囲内で濃度を増やすことが望まれる。