西京味噌などの白甘味噌は, 室町時代の中期に, 京都の公家の発想で生まれたとされ, 冴えたクリーム色で, 光沢があり, 上品な甘味, 麹香と甘い芳香があり, きめが細かくて, 舌触りもなめらかである。白甘味噌の麹歩合は高いが, 食塩は濃度は5-7%と低く, 細菌増殖や酵母の涌きを抑えるため, 通常, エタノールが添加されている。筆者は, 白甘味噌の無塩化について検討し, エタノ-ルまたは酵母が作るエタノ-ルの殺菌効果により, 食塩を全く添加しない無塩の白甘味噌の製造を可能とされた。この無塩の白甘味噌は従来の調味料としての利用以外にも食品加工原料として、今まで味噌に含まれる塩分のために使用できなかった用途など, 新しい利用法も期待できる。また, 無塩白甘味噌中の酵母の高圧による殺菌方法についても解説いただいた。