井水を電気分解して得られた電解生成水を仕込み水に用いて仕込み試験を行い以下の結果を得た。 (1) アルカリ性水は蒸米の溶解を抑制し日本酒度の低下が最も速く, 酸性水は逆に溶解性を促進し日本酒度の低下が最も遅かった。もろみにおいても電解生成水の蒸米溶解の制御が可能であることが確認された。 (2) もろみ中の酵素活性では, 酸性プロテアーゼは酸性水>原水>アルカリ性水の順となり, 前報同様電解生成水が酸性プロテアーゼ活性に与える影響が蒸米溶解制御の原因であることが示唆された。 (3) アルコール生成量は酸性水> アルカリ性水>原水の順となり, 電解生成水が酵母の発酵性にも影響を及ぼすことが示唆された。