酒造用原料米の整粒と砕粒を分別し, 諸性質について検討を行った。 (1) 玄米の整粒と砕粒の比較では, 砕粒は整粒にくらべて水分含量が低いが, 粗蛋白, カリウム含量, マグネシウム含量に差はみられなかった。 (2) 白米の整粒と砕粒の比較では, 砕粒は整粒にくらべてカリウム含量, マグネシウム含量が高いが, 水分含量, 粗蛋白, 粗脂肪に差はみられなかった。また, 砕粒は吸水性が良好であったが, 蒸米はねばりが大きく, サバケの悪い性状となった。蒸米消化性試験による溶解性に差はみられなかった。 (3) 砕粒はみかけ精米の進行は急速であるものの, 実質の精米はゆるやかに進行しており, 精米速度において整粒と差異がみられた。 (4) 新MG染色法を用いて白米整粒と砕粒の精米状態を観察したところ, 砕粒は粒の大きさにバラツキがあり, 縦溝の残留がみられた。