協会7号酵母のセルレニン耐性株80株のうち14株が液体培養で, さらに4株が清酒の小仕込み試験で酢酸低生産1生を示し, 1株はパイロットスケールの清酒試験醸造においても低い酢酸生産性を確認した。これら4株は, 0.5Mソルビトールを添加して高浸透圧とした液体培地では, 親株と同様, 対照の2%グルコース培地よりも酢酸生成が促進されたが, 11%グルコース培地では親株よりも低い酢酸生成を示した。また, このうち3株は増殖後期も高いACS活性を示し, これが酢酸低生産性に関与しているものと推察された。しかし, これら4株は多剤耐性または FAS 2 変異によると考えられるカプロン酸エチル高生産性を示し, セルレニン耐性と酢酸低生産性がリンクしているかどうかは今後検討を要する。 終わりに, 本研究に対し, 貴重なディスカッション及びご協力を戴いた, 白鶴酒造研究開発室, 赤松誠司氏, 並びに当所福田央主任研究員に感謝します。