1%のオロチン酸を含む飼料に凍結乾燥した大麦焼酎粕を添加してラットに16日間自由摂取させたところ, オロチン酸投与による脂肪肝の生成を抑制した。脂肪肝生成抑制作用は, 大麦焼酎粕の添加量に応じて強くなった。脂肪肝の生成に伴って生じる血清脂質の低下は, 大麦焼酎粕の投与によって回復した。特に, 飼料中に10%の大麦焼酎粕を添加した飼料を与えた場合には, 脂肪肝が完全に抑制されるとともに, 血清脂質濃度も正常値に回復した。これらの結果から, 大麦焼酎粕にはオロチン酸投与によって引き起こされる脂肪肝の生成を抑制する物質が存在することが明らかとなった。