紅麹の嫌気処理によるGABA含量の変化について検討した。その結果, 紅麹を嫌気的に処理することで, GABAが大量に生成蓄積する現象を見い出した。その生成量は, 嫌気処理時間が長くなる程増大した。紅麹菌のGAD活性の至適pHは約4.5であった。また紅麹菌体を二酸化炭素ガス中で嫌気的に処理すると, 菌体内pHが酸性側に傾き, GADの至適pHに近付いた。すなわち, 嫌気処理で菌体内pHが低下することによりGAD活性が高まり, GABA生成量が増大するものと推察される。