混合培養によるデンプンからL型乳酸生産を目的として, 使用菌株の選定および生産条件の検討を行い, 以下の結果を得た。 1. 研究室保存の Bacillus株6株中から高いアミラーゼ生産性を有する B.amyloliqueciens IFO 14141を選出した。なお, 本株のアミラーゼによるデンプンの加水分解物の多くはマルトースおよびマルトオリゴ糖であった。 2. 研究室保存の乳酸菌株137株中からL型乳酸生産菌として, マルトオリゴ糖資化能が高く, 光学純度が高いL型乳酸を生産する Lc.lactis NRIC 1074を得た。 3. B.amyloliqueciens IFO 14141と Lc.lactis NRIC1074株の混合培養において, 通気量をコントロールすることにより簡便に効率よくデンプンからL型乳酸を生産できることを認めた。