1) 樽酒から簡便に杉樽由来成分を抽出する方法を設定した。 2) GGMS分析の結果, 樽酒中で15種類のセスキテルペン類を同定した。 3) 樽酒に含まれるセスキテルペン類は主にセスキテルペンアルコールであった。 4) 樽材から抽出されるセスキテルペン類の量は, 貯蔵期間が長く, また貯蔵温度が高くなるほど多くなった。 5) 樽材の木粉からエタノール水溶液で樽材成分を抽出したところ, エタノール濃度が高くなるほどセスキテルペンとセスキテルペンアルコールを合わせた総量は多くなった。総量に占める割合は前者が高くなった。 6) 市販樽酒中のセスキテルペン類含量とアセトアルデヒド含量や着色度との間には相関は認められなかった。