最近, 消費者の食品の安全性に対する関心の高まりから, 食品にはかつてない高度な衛生管理と品質管理が要求されている。 B. subfilis をはじめとする有害微生物の除去は, 味噌・醤油業界にとって長年の課題であるとともに, 早急に解決を迫られている。筆者には, 先に (本誌, 94, 696~702 (1999)) 抗菌性乳酸菌 (ナイシン生産菌) の利用により, 豆味噌中の Bacillus を完全阻止し, 風味や色調の改善, 低食塩化もできる技術を解説していただいた。今回は, ナイシン生産乳酸菌の利用により, 米味噌の Bacillus の生育を効果的に阻止し, 品質を改善する方法を開発されたので, それらの詳細の解決と今後の展望をいただいた。