異なった時期に収穫したキウイフルーツを色々な期間40Cに保存 (追熟) 後, これらの果実より調製したマストよりワインを製造した。 果実の圧搾時, 圧搾助剤を使用すると圧搾時間は短縮され, 圧搾率は上がるが, ワインの品質には影響しなかった。しかし, 果汁の酵素処理によって, ワインの概観, アロマ, 及びフレーバーのいずれの点でも改善が見られた。 原料果実の硬度の相違によって, ワインの一般成分, アミノ酸及び有機酸組成に大きな差異は無かったが, 官能検査結果には大きな違いがあった。1.3~1.6kg/cm2の硬度の果実を原料としたとき, 最も良い品質のワインが製造された。 キウイフルーツ果汁の滴定酸度とpHは果実の貯蔵により顕著に変化しなかったが, 果実硬度, 全フェノール, Brix糖度, 全還元糖, 各単糖, 全有機酸量及び全アミノ酸量は貯蔵によって増加し, また有機酸組成とアミノ酸組成は非常に変化した。果実を樹上で成熟させたときの果汁組成と, 収穫後同じ期間貯蔵した果実のそれとの問には差があり, 後者による果実の成熟 (追熟) のほうがワイン原料として適当であった。