醸造調味料である本みりんの抗酸化性を検討する目的で1, 1-Dipheny1-2-Picrylhydrazyl (DPPH) に対するラジカル消去活性を検討した。その結果, 本みりんは類似調味料であるみりん風調味料と比較して強いラジカル消去活性をもつことが示された。本活性をゲルろ過及び各種樹脂処理等により分画した結果, 分子量1000以下の窒素成分を含む画分が活性の主体であり, 熟成初期に生成するメイラード反応の初期生成物であることが推察された。さらに実際の食品中での抗酸化作用を検討し, みりん干しにおいてみりん風調味料よりも強い過酸化物価 (POV) 上昇抑制効果が認められた。