製麹において, 有機酸添加による黄麹菌のユビキノン生産性への効果について検討し, 次の結果を得た。 (1) 製麹の種付け時に, クエン酸, コハク酸, リンゴ酸, ピルビン酸を添加したところ, 麹中のユビキノン量は, リンゴ酸添加区で高くなり, コハク酸はほとんど影響しなかった。 (2) リンゴ酸の添加量について検討したが, 添加量が大きくなるとpHの低下により, 菌体量, ユビキノン量とも小さくなった。 (3) 吸水率の影響について検討したが, 吸水率30, 40%では5, 10molのリンゴ酸ナトリウムの添加によりユビキノン生産性が増加した。