低アミロース米である中国173号, スノーパール, 彩, ミルキークイーンの酒造適性について, 日本晴および山田錦を対照として比較検討した。 (1) 低アミロース米のアミロース含量は5.6%~11.0%であった。また, 吸水性は良好であった。 (2) 蒸米の粘弾性は対照米と比較して低い (やわらかい) 傾向であった。また, 低アミロース米において, 白米水分含量による蒸米粘弾性への影響は小さかった。 (3) 老化蒸米の消化性は, 対照米に比べて高かった。 (4) 清酒醸造試験の結果, 粕歩合が少なく, 製成酒量は対照米にくらべて約12%増加し, 原料利用率は良好であった。また官能評価は中国173号でもっとも良好であり, その他の低アミロース米においても対照米と同程度の評価であった。 (5) 製麹試験結果より, 低アミロース米では製麹工程中に蒸米からの水分の飛散が少なく, 麹水分は2~3%高くなった。麹活性は, α-アミラーゼ, グルコアミラーゼで差異はみとめられなかったが, 酸性プロテアーゼおよび酸性カルボキシペプチダーゼ活性は高くなった。