清酒の鉄による異常着色が麹菌の生産するデフェリフェリクリシンによることが明らかにされて30年。最近ようやく分子遺伝学的な手法によって, その生合成に関与する遺伝子群とその発現制御機構がベールを脱ぎ始めた。今後さらなる研究の進展と, その成果の醸造への大きな貢献が期待される。