清酒醸造の特徴である並行複発酵及び低温発酵が清酒酵母の増殖における選択的なアミノ酸資化に大きく関わっていることが明らかとなった。並行複発酵による連続的なグルコースの供給はグルコース濃度を低濃度に維持し酵母増殖におけるアミノ酸資化量を増大させる役割を担っている。低温発酵もアミノ酸資化量を増大させる役割を担っている。振盧培養は静置培養より酵母の増殖量が多く, アミノ酸資化量も約1.6倍と多く, 特にアルギニンの資化量は約4倍も多かった。培地の初発pHの違いも清酒酵母の増殖とアミノ酸取込みに大きく影響することが分かった。 最後に本研究に当たり奨学寄附金を頂戴した秋田県酒造組合様, 貴重なアドバイスを頂きました山梨大学飯村穣教授, 日本醸造協会吉田清上席技師に厚くお礼を申し上げます。