固定化α-グルコシダーゼを用いて, 非発酵性オリゴ糖の生成による発酵度の抑制, 並びにオリゴ糖の加水分解による発酵度の向上について検討した。20% Platoの麦汁の発酵開始から48時間のみ固定化α-グルコシダーゼを働かせた場合, 真性発酵度を対照より11%抑制できた。また, 20% Platoの麦汁の発酵開始から7日目以後20日目まで固定化α-グルコシダーゼを用いた場合, 真性発酵度を対照より10%向上させることができた。いずれの場合も, 固定化α-グルコシダーゼの使用によって酢酸の生成量は減少した。固定化α-グルコシダーゼの使用は, 発酵度を自由に制御する手段として有効であるばかりか, 高濃度醸造の抱える発酵度の低下と酢酸生成の増大という課題解決に有効であった。また, 固定化α-グルコシダーゼは70%エタノールを用いて殺菌して使用することが可能であった。