(1) 福岡県内酒造メーカーの清酒もろみから分離した菌株のうちでYM-10培地及び麹エキス培地での発酵試験による選抜を行ったところ, K-9に比べ約1.7倍のリンゴ酸生産量のK-9由来と思われるリンゴ酸高生産性株24-2を分離できた。分離株24-2及びK-9を用いた清酒小仕込試験を行った結果, 24-2がK-9に比べて2:2倍のリンゴ酸を生産する点以外の差は見られなかった。 (2) 分離株24-2及びK-9を用いた低アルコール清酒の小仕込試験を行った結果, K-9を用いた清酒はやや甘さが感じられるが, 24-2を用いた清酒は, 甘さと乳酸が味の中心である従来の低アルコール清酒とは異なり, 甘さとリンゴ酸に起因する酸味のバランスがとれたジュース感覚で飲める低アルコール清酒となった。