本報告では,「酔い=酩酊」の状態をホルター心電計を用いた心拍変動スペクトル解析値で評価することを試みた。このR-R間隔スペクトル解析法により酒類別に各成分の飲酒後の変化を比較した。 その結果, 呼気中のアルコール濃度測定結果からは得られにくかった酩酊の違いが, 心拍変動スペクトル解析成分であるHR成分, HF成分やLF/HF比によって示すことが可能と考えられた。 純アルコール量で同量飲酒の場合, アルコール感受性検査「パッチテスト」の陽性反応被験者で陰性被験者よりもHR成分の上昇, HF成分の低下傾向が大きく, 酩酊の程度に差があることが示された。また, 飲酒酒類によっても差異があることが明らかとなった。