1. 生酒を40℃~65℃, 2分~30分間の熱処理を行い, 4種の酵素 (α-グルコシダーゼ, グルコアミラーゼ, α-アミラーゼおよび酸性カルボキシペプチダーゼ) の失活挙動を調べ, その速度論的解析を行った。また, 合成生酒を用いて酵素失活に及ぼすアルコール濃度および糖濃度の影響についても同様に検討した。 2. 全ての酵素は, 65℃, 2分間の処理でその活性を完全に失った。4つの酵素の中でα-グルコシダーゼおよび酸性カルボキシペプチダーゼの熱安定性が高く, 60℃でのD値は, それぞれ5.0分および2.5分であった。α-グルコシダーゼの熱感受性は, 他の酵素のそれと比べて小さかった。 3. アルコールはすべての酵素の失活を促進し, 酸性カルボキシペプチダーゼに対してその効果は最も大きかった。ブドウ糖は保護効果を示したが, アルコールの失活促進効果に比べるとその保護効果は小さかった。