焙煎発芽玄米を用いて, 高濃度アルコール清酒の開発を行った。焙煎発芽玄米を総米に対して留添時に10%まで蒸米と置換して清酒製造を行った場合, 製成された清酒はアルコール度数が高くなり, 日本酒度も辛い淡麗で雑味の少ない清酒ができることを確認した。焙煎発芽玄米粉の酸性抽出液には, 蒸米のα-アミラーゼへの無効吸着を抑制する効果が認められ, 清酒への焙煎発芽玄米を利用した場合にも, 利用しない対照区に比べて, 蒸米の溶解は向上することを確認した。また, 仕込みにおいて, 焙煎発芽玄米の原料処理としての浸漬及び蒸しは, 焙煎発芽玄米の未処理と比べて蒸米の溶解を滅少させることを確認した。 終わりに, 焙煎発芽玄米を利用して製成された清酒の官能評価に, ご協力を頂きました三重県酒造協同組合連合会, 技術顧問斎藤和夫様に対して厚く御礼申し上げます。