11種類の野菜類を用いてきざみ食調製時, あらかじめ刻んでから茹でる場合と, ざく・乱切りしてから茹で, その後刻む場合とがある。両者について主要なミネラル7種類についての損失を比較した。また, 茹で水中のミネラル含有量が調製したきざみ食にどのような影響を及ぼすかについて検討し, 以下のような結果を得た。 (1) きざみ食調製時, あらかじめ刻んでから茹でる場合は, ざく・乱切りしてから茹でる場合より一部を除き, ミネラルの損失はより多かった。 (2) イオン交換水, 市販の硬度1500の容器入り飲用海洋深層水から調製した硬度100, 500, 1000, 1500のそれぞれの茹で水で5種類の野菜を茹で, ナトリウム, カリウム, カルシウム, マグネシウム, 鉄の5種類のミネラルについて変動を見たところ, 硬度の増加と共に野菜類のミネラル含有量が増加したのは茹で水中に含有量の多いマグネシウムのみであった。 (3) 水道水を茹で水として用いても, 水道水中のミネラルはきざみ野菜の調製時のミネラル損失にあまり影響はしないと考えられた。 (4) 硬度1500の容器入り飲用海洋深層水と塩化マグネシウムから調製した硬度1500の茹で水で茹でて水切りしたものと, 茹でた後にイオン交換水で水洗した後に水切りしたものを比較したところ, 後者の場合のミネラル含有量が少なく, ミネラルの増加は野菜にミネラルが付着して増加していると考えられるが, 一部は野菜の組織に吸着して増加している可能性もあると考えられた。