口腔内には微好気性菌が存在するため, ペットボトル入り清涼飲料水から直接飲用し微好気培養を試みた。また, 口腔内常在菌叢は多種多様の細菌から構成されているため, 個人の間での違い (好気培養) も検討した。 (1) 好気培養と比較して微好気培養では8時間後においても多くの生菌を認め, 好気培養時には速やかに死滅したグラム陰性双球菌 ( Neisseria 属) が8時間後においても検出された。 (2) Neisseria 属は炭酸ガス培養で発育が良好となるため, 微好気培養下で長時間にわたって生残が可能であった。 (3) Bacillus 属は好気性菌であるが芽胞を形成して強い抵抗力を示すため, 微好気の環境でも生残した。 (4) 被検者 (単独), 本学学生, 教職員の間での菌相には大差は認められず, 口腔内常在菌叢に大きな個人差はないことが示唆された。