兵庫, 大阪の女子大生334名と, 211名の母親に対して2005年7月および10月に機能性食品の意識と食行動の関係を調査した。 (1) 食行動について, 母親は学生よりも, 食物系学科学生は他学科学生よりも健全な食生活をしており, サプリメントなどの錠剤は, 学生よりも母親の方が, 食物系学科より他学科学生の方で服用割合が高かった。 (2) 機能性食品の認知度は母親約70%, 学生60%弱で, 学科間では食物系学科学生の方が機能性食品認知度は有意に高くなった。機能性食品の使用意欲は母親よりも学生の方が, 学科では食物系学科学生に若干高く, サプリメント等の錠剤の服用傾向とは逆の傾向にあった。 (3) 特定保健用食品の認知度は母親・食物系学科学生の方が認知度は有意に高くなった。 (4) 健康食品摂取頻度は母親ではほぼ毎日利用する者の割合が有意に高値となった。摂取時期は母親では2年以上前から摂取しているものが有意に高値となった。 (5) 特定保健用食品認知度では, 親子とも発酵乳 (ビフィドバクテリウム) が最も高かった。健康食品認知度では, 親子ともアロエが高値を示した。 (6) 質問項目を因子分析すると, 親子間では学生のみ2因子抽出され, 第1因子「サプリメント利用度」, 第2因子「食生活・特定保健用食品利用度」とし, 食物系学科では第1因子「食生活」, 第2因子「特定保健用食品・サプリメント利用度」が抽出された。 (7) 全体的に特定保建用食品を繰り返し摂取している者が欠食・外食をせず食意識が高く, 栄養素不足を自覚している傾向にあった。認知度, 使用意欲など意識面と実際の利用状況とは母子間で異なった傾向にあった。