ゼリー調理における, 副材料として加えられる茶粉末および抽出液, 果汁とホエータンパク質 (WPI) がゼリーの品質に及ぼす影響を知るためにモデル化した基礎実験を行った結果, 以下の知見が得られた。 1. ホエータンパク質 (WPI) -ゼラチン混合ゾルにタンニンを添加すると透明度 (L値) の変化は小さいものの, 相対粘度が有意に上昇した。 2. ゼラチン単独ゾルおよびWPI-ゼラチン混合ゾルのタンニン添加による分子量分布をゲルろ過法で測定したところ, ゼラチン単独ゾルでは約210kDaの分子量ピーク, WPI-ゼラチン混合ゾルでは約160kDaの分子量ピークが増加し, WPI-ゼラチン混合ゾルは分子量の低い可溶性複合体を多く形成することが示唆された。 3. WPI-ゼラチン混合ゾルにタンニンを添加すると, その添加濃度の増加に伴い, ゲル化温度が高く, ゲル化時間が短縮し, ゲル化しやすく, 破断特性値の高いゲルになることが分かった。