簡易かつ正確に灰分量を推定することを目的として, 成分表 (五訂増補) に収載されている植物性食品854食品のミネラル含有量を基にして, 代表的なミネラルの含有量またはそれらの合計量と灰分量との関係を調査し, 以下の結果を得た。 1. 灰分量の平均値 (±標準偏差) は2.1±3.8gであり, 616食品 (植物性食品全体の72%) の灰分量が0~1.5gの範囲にあった。 2. 灰分量は, ミネラル9成分の合計量, 並びに5成分の合計量との間で非常に高い相関が認められた。また, ナトリウムやカリウムとの相関も高く, その他の成分についても有意な相関が認められた。 3. 灰分量を従属変数, ミネラル合計量を独立変数として単回帰分析を行ったところ, 相関係数は0.981 (p<0.001), 決定係数は0.963となった。得られた回帰式は, 以下の通りであった。 灰分量の予測値 (mg) =2.18×ミネラル5成分の合計量-110 4. 灰分量とミネラル合計量との間には約2倍の差があった。成分表に収載されている「灰分」は, ミネラル総量を示す値ではないが, 食品中のミネラル総量を反映した値であることが確認された。