鶏肉ハンバーグを新規食品として開発する目的で,我々は各種味噌および蒟蒻ゾルを鶏肉ハンバーグ製造に利用した場合の品質に与える影響について研究した。 (1) 鶏肉ハンバーグの硬さは玉葱量の影響が大きく寄与し, 鶏挽肉と玉葱の割合量比1:1が好適で, 水分量が多く, テクスチャー値の硬さは小さく, 軟らかくなり, 咀嚼・嚥下困難者用の硬さの規格に符合した。 (2) 鶏肉ハンバーグの色調は味噌相違の影響が大きく寄与し, 八丁味噌添加製品の色調変化が顕著であった。 (3) 鶏肉ハンバーグの官能評価では試料C-2 (信州味噌添加品) は, 基本 (味噌無添加品), 試料C-1 (西京味噌添加品), 試料C-3 (八丁味噌添加品)より香り, 味, 総合的な好みの項目で, 有意に高い評価であった ( p<0.01 )。 (4) 試料C-2に蒟蒻ゾル1.9%置換した試料C-2-Kは, 対照の試料C-2に比べて, 硬さは軟らかく弾力性があり, 肉汁の流出が抑制された。 (5) 試料C-2と試料C-2-Kは基本 (試料C-0) に比べて, 総ポリフェノール量とラジカル捕捉活性が有意に高くなった ( p<0.01 )。 以上の知見から, 信州味噌と蒟蒻ゾルを加えることにより品質のよい鶏肉ハンバーグステーキを製造することができた。