目的 : 運動習慣を有しない健常若年日本人女性において, 脂質代謝と抗酸化能に対する有酸素運動トレーニングの効果を検討した。 方法 : 運動習慣を有しない健常若年日本人女性で, 正常体重 (BMI18. 5以上, 25未満), 正常月経周期, アポリポ蛋白質E 3/3型の8名を対象に, トレッドミルで最大酸素摂取量の約50%に相当する30分間の歩行運動を週5回, 4週間行った。OFTTクリーム (上毛食品, 体重1kg当たり1g) を用いて, トレーニング前と後 (最後の運動の約24時間後) に経口脂肪負荷試験を実施した。脂肪負荷前 (0時間), 負荷後1・2・4・6時間後に静脈から採血し, トリグリセライド (TG), アポリポ蛋白質B-48, グルコース, インスリン等を測定した。また, 抗酸化能に対する効果をみる目的で, トレーニング前後における血漿8-epi-prostaglandin F2α (8-epiPGF2α) 等を測定した。 結果 : 血清TG濃度の曲線下増加面積 (IAUC) と血漿8-epiPGF2α濃度は, トレーニング前に比べて, トレーニング後には有意に減少した。 結論 : 中等度の有酸素運動 (最大酸素摂取量の約50%, 30分) トレーニングは, 運動習慣を有しない健常若年日本人女性において, 食後脂質代謝 (IAUC-TGの減少) と抗酸化能 (8-epiPGF2αの低下) を改善した。