腸管出血性大腸菌, カンピロバクター, ノロウイルスによる食中毒の近年における発生状況, 予防対策について概説した。過去10年間おいて, 腸管出血性大腸菌食中毒は事件数が12~27件, 患者数は70~928名であった。カンピロバクター食中毒の事件数は337~645件, 患者数は2, 092~3, 439名であった。ノロウイルス食中毒の事件数は268~499件, 患者数は7, 961~27, 616名であった。腸管出血性大腸菌とカンピロバクターによる食中毒において, 最も重要な予防対策は食肉類の加熱調理である。ノロウイルス食中毒の予防対策として, 最も重要なのは手洗いである。