本調査では,医薬品服用者876人を対象として健康食品の摂取とウコン含有食品と医薬品との併用に焦点をあて質問紙による実態調査を行った。 調査1においては,全対象者876人のうち473人 (54. 0%) に何らかの健康食品の摂取経験があり,摂取している健康食品の種類はウコンが最も多かった。473人のうち,ウコンと医薬品を過去併用あるいは現在併用している対象者は55人 (11. 6%) であった。55人の疾患は,高血圧,心臓病,糖尿病が全体の約半数を占めた。これらの対象者における,医薬品とウコンとの併用による自覚的体調の変化は認められなかった。また,ウコンがCYP3A4の代謝を介して薬効に影響する可能性も考慮したが,自覚的体調の変化に影響はみられなかった。 調査2では,調査1で同意の得られた7人について,現在の病名および服用している医薬品名等に関する詳細な調査を実施した。CYP3A4により代謝される医薬品が全体の1/3を占めたものの,自覚的体調および検査値に大きな影響はみられなかった。これらの結果から,今回の調査で挙がった医薬品とウコン摂取状況における併用では悪化ととらえられる自覚症状には至らないと考えられた。 今後も,わが国で罹患者の多い生活習慣病患者を中心とした医薬品服用と健康食品の併用についての継続した調査が望まれる。