妊娠期または授乳期の食事制限が仔ラットの食物選択に及ぼす影響を調べた。妊娠ラットを対照群 (CTG), 妊娠期制限食群 (PRG), 授乳期制限食群 (NRG) の3群に分けた。妊娠・授乳期間を通してCTGは自由に摂取させ, PRGは妊娠期間, NRGは授乳期間, CTGが摂取した量の60%の飼料を与え飼育した。離乳後, 仔ラットには糖質・たんぱく質飼料 (CPD) と脂質・たんぱく質飼料 (FPD) を同時に与え, 両飼料の選択摂取を4週間行わせた。出生時体重は3群間で有意差はみられなかったが, 離乳時の体重はNRGが他の2群の比べ有意に低かった。選択摂取期間のNRGの体重増加率 [体重増加量 (g) /離乳時体重 (g) ] とFPD摂取割合 [FPD摂取量 (g) /総摂取量 (g) ] は他の2群よりも高かった。これらの結果から, NRGは正常な体重に追いつくためにエネルギー密度 (kcal/g) の高い飼料を必要とし, 自発的に大量のFPDを摂取したと考えられた。