わが国で新たに創出した高アミロース小麦(HAW)について,小麦デンプン中のレジスタントスターチ(RS)含量について検討した。1)予備実験としてHAWの種子あたりのデンプンを調べたところ,交配により普通小麦に比べてデンプン量が2割程度減少していた。2)HWAのRS含量は,普通の小麦の約5倍量含んでいた。3)HWAを湿熱処理することによりRS含量は倍増した。4)比較のためトウモコロシについて分析したところ,duおよびae遺伝子に支配された高アミローストウモロコシデンプン中のRS含量は,湿熱処理することにより,両試料ともに5倍近く増量した。 以上のことより,高アミロース小麦デンプンのRS含量は,湿熱処理することにより,トウモロコシデンプンにはおよばないものの約2倍程度増量することがわかった。