豪雪山地における低木広葉樹林の林分改良のため, 伐採, 植栽および前生樹を利用した簡易積雪グライド抑制工を併用した施業の有効性を検討した。ボイピラミッドと頭上伐採木の組み合わせによるグライド抑制工によって, 最大積雪深が2m以上で斜面傾斜が38°の厳しい立地条件であるにもかかわらず, 施業後のグライド量を2m程度に抑えることができた。このことから, 本施業の有効性が示唆された。本調査地では, グライド抑制工として利用した樹木は萌芽により再生中であることから, 長期にわたりグライド抑制工としての機能を発揮できる。また, 植栽木の樹高が5年後には最大積雪深を超えていることから, 現在の生存本数と成長速度が維持されればグライド抑制機能を発揮できるようになると考えられる。