林床可燃物の含水比を予測するモデルのパラメータを, 隣接しながらも樹種構成の異なったプロットを対象に, 同定を行った。一方のプロットはおもに落葉樹のみが生えているのに対し, もう一方のプロットは常緑樹が優占していた。パラメータは, 日射量と蒸発量の関係に関する三つと最大含水比の全部で四つであり, いずれも可燃物の物理特性, 堆積状況などを反映したものである。それぞれのプロットにおける林床可燃物含水比と日射量, 降水量の観測値に基づいてパラメータの同定を行ったところ, 二つのプロットに対するパラメータは大きく異なった。しかし含水比の予測結果に大きな違いはなかった。モデルパラメータよりも光環境の方が, 可燃物の乾燥により大きな影響を及ぼすものと考察された。